特別講演
特別講演1 (8/8 9:00-10:00)
今井 むつみ 先生(慶應義塾大学 環境情報学部)
タイトル:ビジュアルワールドを言語はどのように記号化しているのか
概要:
本講演では、連続的なビジュアルワールドと離散的な言語記号を人間がどのようにつないでいるのかを以下の問いから考察し、記号接地問題にアプローチしていきたい。ことばは切れ目なく連続する外界のビジュアルワールドを分節し、概念として取り出す。言い換えればことばは概念を名付ける記号である。ことばはビジュアルワールドの特徴をどのように取り出して世界を分節しているのだろうか? 言語による世界の切り分け方には大きな文化差があることがわかっているが、文化普遍的に分節される概念はあるのだろうか? 文化普遍的な分節と固有の分節の背後には何があるのだろうか? そして子どもはどのように連続的なビジュアルワールドを離散的な言語記号に接地させているのだろうか?
略歴:
1983年慶應義塾大学文学部卒業。1985年同大学院社会学研究科修士課程修了。1993年米国ノースウエスタン大学心理学部博士課程修了、Ph. D.(1994年)。1993年より慶應義塾大学環境情報学部助手、専任講師、助教授を経て2006年より教授。専門は認知・言語発達心理学、言語心理学。
特別講演2 (8/9 9:00-10:00)
稲見 昌彦 先生(東京大学 先端科学技術研究センター)
タイトル:自在化する身体: 身体の限界を超えて
概要:
社会革命は、身体観の革新を伴ってきた。情報革命を物理社会のサイバー社会へのデジタルトランスフォーメンションと捉えるなら、その変化に自由に適応できる身体のDX「自在化身体」を構築し、新しい身体観を確立する必要があるだろう。本講演では、VR、ロボット工学、ウェアラブル技術を基盤とした「自在化身体」構築のための取り組みを紹介するとともに、人機一体実現のための暗黙的支援技術、スキル伝達・獲得の自在化などについても議論する。
略歴:
1994年 東京工業大学生命理工学部卒業。1996年 同大学院生命理工学研究科修士課程修了。1999年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学リサーチアソシエイト、マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者、電気通信大学電気通信学部知能機械工学科教授、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授などを経て、現在、東京大学先端科学技術研究センター教授・副所長。